2021/03/30 20:53

「そんなの集めてもなんにもならないからやめろ」

みんなから、木の枝はやっかい者として扱われている。
木の枝は、かさばるし、手間ばかりかかる。
そんなことやるぐらいなら、次の木を転ばせたほうが銭になるのだ。

だけど私は、やめろと言われれば言われるほど、やっかい者扱いされればされるほど、手をつけたくなる性分だ。

ここ二週間あまり、木は一本も倒さず、ひたすらに枝を処理し続けた。
やってもやっても、なくなる気配はない。
そろそろか?というところまできても、また新しい枝の山が現れて笑ってしまう。
まるでいいライバルに出会った気分だ。
まだまだ終わりは見えない。

なぜここまで枝に執着するのか考えてみると、自分と似ているからかもしれないと思った。

手間がかかる、やっかい者、、。

そのすべては使いよう、生かしようだ。

処理されて積まれた枝はもはや、なんにもならないとは言えないところまできているだろう。売り先も決まっている。

これ見よがしに永遠と積み重ねていきたいが、木の性質上それはできない。だから炭はいいと思う。

そしてこれ以上ロープを買う余裕もない。

はじめは緩くて結びは固かったが、今はきつくて簡単に解れる結び。

一番最初は蔓でやった。いい思い出だ。

木を運ぶ前は、いつも寂しい。