2021/04/14 23:27

市場で売れなかった原木は、近くの製材所に押し売りしに行った。

いつも木を売る相手には「損しないところで値段を決めくれ」と言う。

値段をつけるのは嫌いだ。

しかし、親方は「あんだが決めろ」の一点張り。

だからかなりの安値で、さらに言われてもないのに値引して売った。

炭にしたほうがよっぽど利益になったが、細くても材がとれる木を炭にしてしまうのはもったいないと思った。

しかし製材所にとっても、板にして20tトラック一杯に積むほどの量が集まらなければ買い手はつかないのである。

自分は山で製材を主力のひとつに考えていたが、そもそも製材して売れる木なんてめったに切ることはないということに気がついた。

得意の枝商法を続けるしかないのか?

売るべき枝はすべて運び、ようやく終わった。
これは相手が9万円と言ったので、8万円で売った。

通常は山に残される木である。
枝は山の肥やしとして考えられるらしいが、一本の木を無駄なく活かすことは必要以上の木を倒さないことにもつながり、それを欲しいと望む人も確かに存在し、おそらくこれは自分にしかできないだろうという判断でやった。

そもそもが広葉樹林を伐採するのは、望ましいことではないように思う。しかし広葉樹林の再生力を目の当たりにすると、人間がそれを必要なぶん使うことは許されるようにも思う。

私はただ、はげ山になるよりはましだ、という一心で取り組んでいる。